美味しいやまがた情報
 
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2018/07/04

今、静かに熱い水のまち長井。

| by フォーラム事務局

 元禄7年、白鷹町の黒滝開鑿によって、最上川舟運が長井まで届き、山の港町として、大変栄えました。長井市はその頃の町並みが今も残り、独特の景観を生んでいます。平成30213日に「最上川上流域における長井の町場景観」が重要文化的景観に選定されました。その中の「小出地区」には、町屋と蔵群が並び、街中を流れる水路と美しい緑と相まって、まるでタイプスリップしたような気持ちになります。

 美しいあら町から、次世代に残し伝えたい国の有形文化財ともなっている2店舗をピックアップして紹介します。

 

 創業は寛政元年で、現在の店は大正時代に建て直した築約100年の建物「山一醤油店」。平成23年に国登録有形文化財になった建物は、通りの店舗から奥に奥に醤油蔵、塩蔵、仕込み場、味噌蔵と続いていき、酵母たちの息遣いが聞こえて来そうです。(4月に置賜地域部会研修で訪れました。)



 醤油屋さんの隠れ味として、今や日本のみならず、世界にもファンの多い「あけがらし」は、200余年、一族秘伝で伝えられて来たからしこうじです。

 もともとは一族の婚姻など、お目出度い時にしか仕込まない門外不出の食べ物だったそうですが、そのネーミングの由来も大変興味深いものです。



―故七代目が学生時代、東京の寄宿舎にて同室であった谷川徹三氏(作家、哲学者にして詩人谷川俊太郎氏の父)と共に部屋で田舎から送られた伝来の芥子糀で酒盛りをしておりました。

 その時、谷川氏が盃を片手に「落語にも{あけがらす}てぇ話があるし、祝言の時だけの目出度くてウメ―食べもんだから、メデテー 芥子ってことで【あけ(明と開をかけて)がらし(芥子)】ってなぁどうだ?」とおっしゃられたのだとか。

 それにはたと膝を打った七代目が「あけがらし」を正式な当店の商標としたのでございます。― 山一醤油 九代 大和屋弥助氏 あけがらしの栞より抜粋

 

 家業である醤油と日本の食文化に欠かせない麹、三温糖、和がらし、麻の実などを、代々家の女性の手で守り繋いできた「あけがらし」は、炊き立てご飯にはもちろん、旬の野菜のお浸しや豆腐、同じ発酵食品である納豆など、ほんの少し乗せるだけでも口の中で驚くほど深い味が広がります。麹の甘味と辛味のバランス、ピリッと効いた麻の実が、絶妙な逸品です。また、時間を経て味が変わって行くのも「あけがらし」の魅力です。瓶の中で熟成が進み、食べる度に違う感動が生まれます。かつて舟運でたくさんの人が往来したであろう通りと、過去から繋がる今が瓶の中で再現されているようです。




 山一醤油さんと並んで見えるのは、ガラスの窓が美しく、外に置かれているソフトクリームがかわいらしい「Music&Gallery WARM STONE」。ミュージックとつくのは何故?と伺ってみたら店主の横澤徹さんはジャズサックスプレーヤーで、音楽教室やコンサートも行っているそうです。







 カフェの奥には、かつて食料品の問屋だったという、砂糖や粉などが貯蔵されていた5棟の大きな蔵があります。旧丸中横仲商店蔵群も国登録有形文化財で、蔵を活用したいとコンサート等が行われています。江戸、明治、昭和初期の蔵の利活用のアイディアも見つけていきたいと、カフェをオープンし、カフェにはオーナーご夫妻と出会いのあった食器等も展示販売されています。

 県内のみならず、各地から集められた物達を眺めながらゆっくりと音楽に耳を傾けていただくコーヒーは、水の町だからこそ、優しくて深い甘さを感じます。




 カフェメニューはどれも美味しくてコンプリートしていただきたいのですが、特におススメは手作りハンバーグと米粉パンケーキ&ソフトクリーム。どちらも横澤さんのお人柄を表したようなふんわりと優しい味です。そしてソフトクリームは、何度食べても幸せになれる味です。


             この日はお腹が空きすぎてカレーをセレクト(笑)






             長井といえば、けん玉も!チャレンジお待ちしています絵文字:笑顔


 ランチをいただいた後に出てくるコーヒーカップも素敵です。また、月に一度開催されるカフェコンサートにもぜひ足を運んでいただきたいです。

 訪れた日には、どこからかカッコウの鳴き声が聞こえていました。

 

 これからの季節は水路に美しい梅花藻を見ることもできます。美しい水路に沿って時折姿を見せる魚や、気持ちよさそうに浮かぶ鴨たちのように、時を忘れていつまでも散策していたくなります。


【山一醤油店】
住所:長井市あら町6-57
営業時間:9:00~17:00
休業日:第2・4土曜日・日曜日・祝日
電話:0238-88-2068

【旧丸中横仲商店蔵群
Mucic&Gallery WARM STONE】
住所:長井市あら町6-49
営業時間:9:00~18:00
休業日:月・火曜日 ※蔵見学 有料
電話:0238-84-3411

長井市の情報はこちらからもご覧いただけます↓
長井市観光ポータルサイト
http://kankou-nagai.jp/
13:43
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