大昔、村山盆地の真ん中に「藻が湖(もがうみ)」という大きな湖があり、この湖の東に連なる奥羽山脈の麓に最も早く拓けたところを東根と呼び、この地名がつけられたと言われています。
(東根市HPより)
古くから政治や経済の中心、交通の要として発展してきた東根市は、歴史の移り変わり、気候条件等により、地域に暮らす人々の間には様々な知恵が生まれ、工夫が凝らされてきました。
かつて、塩は大変貴重なものであったそうです。冬場の食糧確保のために必要であった農産物の確保-塩を大切に使いながら、乳酸発酵の技術を工夫して作り出された漬物の数々は、人々の間で受け継がれ、今も私たちの健康に役立ち、生活を豊かにしてくれています。
歴史のまち東根市は、言わずと知れた果樹王国でもあります。昔から東根市と天童市の一部で育てられてきた「節田梅(せつだうめ)」をご存知でしょうか。伝統野菜にも認定されている在来種である節田梅を丸ごと漬け込んだ「茜姫」に使われるのは、自家醸造のりんご酢と砂糖、ほんの少しのお酢のみです。ほんのりと優しい紅色に染まった「茜姫」や、これからますます美味しくなる漬物など、壽屋の食品には、添加物を一切使用していないそうです。
昔から家庭に伝わる味を継承しながら、厳しい目とたくさんの愛情で作られる味に会いに出かけて来ました。
軒先に下げられた杉玉が一段と目を引くお店の暖簾をくぐると、たくさんの漬物や厳選された食品、囲炉裏が出迎えてくれます。その隣に立つ築120年の古民家「野守の宿」に「ぬもりカフェ」があります。

夏にお邪魔した時には、高い天井と柱や木がひんやりと涼しく、有機栽培の豆で淹れたアイスコーヒーと茜姫パイに、外の暑さを忘れてしまう時間を過ごすことができました。今回は、「ストーブを点けましたよ」の情報を得て伺ってみると、メニューを開いて目に飛び込んできたのは6種類の甘酒メニュー。


見ているだけで落ち着く灯り。窓から見える景色にも歴史を感じます
「食卓には欠かせない!」というファンも多い「わらわら飯喰は(ままけは)」(ネーミングも可愛いですね!)の麹ともち米、水のみで作った甘酒をより楽しめるように、にんじんやりんごなどのフレーバーがあり、ビジュアルも美しくてどれにしようか悩んでしまいます。

「わらわら飯喰は」 ホカホカご飯に、冷ややっこに箸が止まらなくなります
これからの季節のおススメは生姜。まずはストレートでいただいてみました。すっきりとして優しい甘味で、身体にすぅっと沁み込んできます。時々顔を出すスパイシーな生姜とさらさらとした麹の粒が合わさって、変化のある食感も楽しめます。


隣接する店舗でも購入できます
もう一つ、忘れてはいけないのが「おまかないスィーツ」です。この日はりんごのコンポートを出していただきました。甘酒にもコーヒーにもぴったり。その日によって何が出てくるのか、お愉しみメニューです。

ころんと可愛い茜姫がサクサクのお布団をまとったような可愛らしいメニュー「茜姫パイ」
ぬもりカフェの営業は冬期間だけ(12月~2月10日頃まで)、お休みとなります。
詳細はホームページでご覧ください→http://www.akanehime.com/?page_id=546

たくさんの酵素、ビタミンB群、必須アミノ酸9種類など数えきれないほどの栄養があり、「飲む点滴」と言われている甘酒、喉にも良い生姜や野菜、そして腸の働きを整えるだけでなく、免疫力アップやインフルエンザなどにも効果が期待される乳酸菌のパワーで元気に冬を乗り切りたいものです。